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カテゴリー:Office 365

Microsoft Bookingsを検証してみる – Part2

2017年04月19日(水)

前回の記事では、ざっくり Microsoft Bookings でできること、難しいと思われるポイントを説明しました。ここからは、実際に設定画面を見ながら Microsoft Bookings で実現できることをもう少し詳細に見ていきたいと思います。

Microsoft Bookings で一番最初に設定する項目は「商号」と「業種」の設定です。

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「商号」は検証してみたのですが、「日本語」での登録は受け付けてくれませんでした。商号で指定する名前は「英字」である必要があります。理由は、「商号」はこの後のサービス提供の場面でシステムによって利用されるためです。例えば、簡単に検証しただけでも下記の用途で使われています。

・メールアドレスとして:お客様に送信される確認の電子メールなどは、この「商号+O365ドメイン名」で送信されます。

・オンラインサイト公開用アドレスとして:URLの一部として利用されます。

 

「業種」は日本語でも大丈夫で、入力を始めると「サジェスチョン(候補)」も表示されます。サジェスチョンから選択を行うと、なんと「サンプルのサービス」まで設定してくれます。例えば業種で「美容室」を選択すると、「Balayage 2時間」「Basic color 2時間」「Haircut, long hair 45分」「Haircut, short hair 30分」といった具合です。設定時間といい、サービス内容といい、なかなか現実的なサンプルです。英語で設定されるので、日本語に書き換えてもよし、これらを利用せずにまったく一から自分で入力することももちろん可能です。

設定後、すぐにホーム画面が表示されます。

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ここまで出来たら、次は左側のメニューを確認し、上から順番に設定していくだけです。「予定表」から「企業情報」まで一通り設定したら公開を開始し予約を受けることが出来ます。

 

では、設定項目「予定表」を見てみましょう。このメニューでは、お客様の予約スケジュール管理ができます。お客様がオンラインから入れた既存の予約も確認と、電話やメール、SNSなどでいただいた新規予約を手入力で登録することができます。

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営業時間内は「白色」で、営業時間外は「薄い水色」で表記が分けられています。この画面では、オンラインで入力されたお客様の予約が一覧で表示されています。これらの予約は内部から「変更・編集」することも可能です。例えばお客様はスタッフAを指名して予約を入れたものの、内部で別のスタッフにアサインを変えるなどです。このあたりは、まるでOutlookの「予定表」を操作しているのと何ら変わりがありません。

コマンドバーを見ると、3つメニューがあります。「新しい予約」「休暇」「印刷」です。

「新しい予約」では、お店側から新規予約の作成ができます。電話やメールで予約を取りたいお客様にも対応できますね。便利なのは、サービスと時間を入力すると、スタッフの「誰が空いているのか」確認できますので、スムーズに電話やメールでの予約対応ができることでしょう。

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この「新しい予約」では、本来予約を入れることができない「業務時間外」でも予約を作成することができます。開店前、閉店後に特別なお客様の予約を入れるといった臨機応変な対応も可能です。

「休暇」ではスタッフの休みを設定できます。もともと決まっているお休み、またスタッフが急に休まなければならなくなった際にも、迅速にアサインを変更することが可能です。休暇を設定すると、そのスタッフの欄は「予約不可」になるので、オンラインからお客様が間違って予約を入れることを防げます。

「印刷」では、スケジュールの印刷用レイアウトが提供されるので、スタッフの「シフト表」としても利用することができますね。きちんと「印刷の開始時間」や終了時間を選択できるのも現実的ですね。先ほどの例のように、「業務外」の時間にも予約が入っている可能性がありますので。

 

次は「予約ページ」です。

この設定項目では主に「公開用のオンラインサイト」の設定を行います。ページの公開、公開中止、Webへの埋め込みURLの作成ができます。

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オンライン予約システムで問題になりがちなのは、お客様側の急なキャンセル対応です。Microsoft Bookings ではキャンセル可能リードタイムも設定できますので、「1時間前までオンラインからキャンセル可能」「一日前までオンラインからキャンセル可能」などと設定ができます。もちろん、どのくらい先の将来までオンラインで予約を入れることができるのかも設定可能です。

 

「公開ページのデザイン」では、色味を選択することと、会社のロゴを表示することくらいしかできません。

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前の記事で少し触れましたが、予約・キャンセル プロセスに関しても、現実的な機能が提供されています。スタッフのシフト管理も、一般的に考えられる機能は提供されています。一方、予約Webサイト デザインのカスタマイズに関しては、配色(テーマ)を選択する程度しか変更ができない事、また公開URLも自動生成されることがわかります。

予約ページのURLに関しては、「長すぎる」「自社ドメインが」など、いろいろ要望が出てくるところですが、例えば、ただURLを短くするだけであれば「bit.ly」などの「短縮URLサービス」を利用するのも一つの手かもしれませんね。また、実際問題、お客様が直にURLを手入力してWebサービスを利用しているケースは少ないはずです。ランディング ページなどを適切に用意したり、Facebookページを作成して、リンクを張るなど、スムーズな同線を作ればURLの問題はある程度解決できます。

 

次の記事では、スタッフとサービスの設定をご紹介いたします。

Microsoft Bookingsを検証してみる – Part1

2017年04月18日(火)

2016年7月に米国を皮切りに展開が始まった Microsoft Bookings が、ついに日本語でも利用できるようになりました。2017-04-17 11-50-11

 

今回 Microsoft Bookings を利用できるライセンスは、「Office 365 Business Premium」です。まずは Business Premium ライセンスから、そしてこの先は他のSKUでも展開される予定があるようです。

 

Microsoft Bookings は小規模ビジネスなどで、お客様の「予約」を「オンライン」受け付け、管理することができる新しいサービスです。簡単な設定をすると、専用のWebサイトも用意され、すぐに利用可能です。

オンライン予約システムを利用したいと思っても、小規模なビジネスで(例えば個人で経営しているなど)オンライン予約システムを準備するのは、なかなかハードルが高いことです。もちろんインターネット検索をすると、いくつかの無料で利用できるオンライン予約システムやサービスは存在するようです。ただ、広告が混じっていたり、自分でできる設定の範囲が限られていたりと手放しで喜び利用にというわけにはいかないかもしれません。

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小規模ビジネスの場合、もう一つ考慮しなければならない重要なポイントは、「データの分断」をどのように考えるかです。ビジネスの規模に関係なく私たちはたくさんの情報を業務で活用する必要があります。その際に情報が散らばっているのはセキュリティ的にもオペレーション的にもよくありません。例えばオンライン予約システムはA社を利用し、お客様と連絡を取るためのメール作成はB社のもので、スタッフのシフト管理はC社のサービスで・・・などとデータの分断を許し、複数のシステムを使用していると、ただでさえ少ない人数の中で業務オペレーションがどんどん煩雑になってきます。

小規模ビジネスでは、できることならば、利用する端末も最小限にし、オペレーションコストも最低限にするのが理想です。誰が休んでも問題なくビジネスが続けられるように。

 

では、今回のMicrosoft Bookingsはどうでしょうか?

検証してみてこれは良いな、いや微妙だなと感じた点を取り上げてみます。

 

良かった点は以下です。

1. 簡単な設定ですぐに始められる

マイクロソフトのWebサイトでは、「オンライン予約システム」が、数分の設定で開設ができるとのこと、実際に手順を踏んで試してみました。確かに簡単! 10分もかからずに最低限の設定は終わります。マニュアルがなくても「次にすべき設定」をある程度提示してくれるので設定項目を迷いません。

なお、この Microsoft Bookings はオンライン対応だけではなく、従来の「電話」や「メール」で予約を入れようとしているお客様への対応も可能ですので(対応方法がある)、新しいオンライン予約と既存の予約方法を混ぜながら十分に管理できます!

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2. サービス向上が図れる

全体的に「簡素」なオンライン予約システムではありますが、随所にお客様へのサービスを向上させる機能がついています。例えば、「メール アラーム」機能。リマインダメールを決められた通りに送る機能があります。予約を入れてくださったお客様に、予約の確認や来店を促すことが、スタッフの手を煩わせることなく、自動的に行えますね。 アラームはお客様だけではなく、スタッフ向けにも設定できます。これは良い!

スケジュールを作成する場面でも、お客様同士が鉢合せたりすることがないように、またスタッフにも空き時間の余裕が作れるようにバッファー時間を設定することができます。現実的できめ細かい配慮です。

 

3. Outlook上で情報がまとまる

技術的にはOffice 365で提供されているOutlook OWA(Outlook on the Web)の機能拡張として用意されているようです。Outlookを利用していれば、すべての情報が一元管理されます。お客様からの予約はそのまま担当者のカレンダー スケジュールとなりますし、お客様情報も「連絡先」として利用することができます。なお、お客様に公開する「予約サイト」もOWAの拡張サイトとして提供しているようですね。

 

4. 専用のモバイルアプリケーションが準備されている

お客様がアプリをダウンロードするのではなく、お店の側が予約を上手に管理するための専用アプリです。お客様は通常のWebブラウザから予約をしていただければOKです。お店側はこの専用アプリを利用すると、アプリ側からお客様の予約を新規で入れたり、変更するなどの予約管理対応が簡単に行えます。つくりも非常にシンプルで程よい使い心地のモバイルアプリです。iOS、Android共に用意されています。

 

5. Facebook と連携ができる!

公開ページを一クリックで Facebook 上で共有する機能がついています。もちろん Twitter 共有するボタンも。また、これは試せていないのですが、Facebook で企業用のページを持っている場合、ページの「予約する」と連携も可能とか。(確認できましたら、アップデートしたいと思います。)

 

6. オンライン予約システムに必要な最低限の機能でとどめられている

最低限というと聞こえが良くないかもしれませんが、システム管理者がいない場合が多い小規模ビジネスでは、これが大事です。
沢山の機能があればあるほど、メンテナンスの手間がかかったり、設定に時間がかかります。あれも、これも、ではなく、目的はオンラインで予約を受けること。このためだけに必要な最低限の機能が準備されている、この匙加減は丁度良いと思います。

 

 

逆に、ちょっと微妙と感じた点は以下です。

 

・一対一のサービスに向いている?

例えば美容院や病院など、スタッフとお客様が1:1で向き合うサービスでは問題ないのですが(もしくはサービス提供者が複数人でお客様が一人)、一対:「集合」の場面などでは、運用が難しそうです。例としてはフィットネスクラブのスタジオ クラスなどがイメージしやすいです。一人のインストラクター対「複数」のお客様のケースです。私が検証した感じでは一つの予約に一人もしくは複数人のサービス提供者アサインは問題ないですが、一つのサービスに多数のお客様を紐づける対応が難しいかもしれません。(もちろん工夫はできると思いますが、チョッとどうだろう…)

 

・簡単に始められるということは、カスタマイズ範囲が限られてくる

例えば、予約サイトの公開。どうせ自社専用の予約サイトを持つのであれば、自社ドメインで運用したいところですが、今のところ自社ドメインでの公開はできないようです。

私の検証環境では予約サイトのURLは https://outlook.office365.com/owa/calendar/業種名@組織テナント名.onmicrosoft.com/bookings/ という形で公開されています。

また、サイトのデザインなども、テンプレートを選択する「だけ」で、細かくデザインを自分でいじりたくても「今は」その術はなさそうです。

 

・カスタムフィールドを使った運用

可能であれば、自分の組織のニーズに合わせて少し追加の「項目」などを使いたいものです。しかし、現状ではカスタムフィールドのような別の値を取得するすべはなく、既定で用意されているフィールドを上手に使う必要があります。(これに関しては、将来的には実装される可能性があるかもしれませんね。 参照:https://outlook.uservoice.com/forums/314907-microsoft-bookings/suggestions/15773461-custom-fields-on-the-booking-page

 

機能比較表のように「マル 〇」「バツ ×」をつけ始めるとキリがないですし、ITはどうしても「できない」ことに目が行きがちですが、目的は「スマホ時代にお客様にオンラインから予約できる場」を提供する、「お客様の予約を管理する」、そして「スケジュールを管理することが達成されていればいいので、きちんと割り切って利用すれば、こんなに身近でパワフルなツールはないです。この後の記事では、実際に設定画面を交えながら、もう少しMicrosoft Bookingsを検証していきたいと思います。

Office 365グループ -2017年4月アップデート

2017年04月17日(月)

こんにちは、インフォシェア株式会社の北端です。

Office 365グループの2017年4月のアップデート情報がOffice チームのブログで紹介されました。「Office 365グループ」を検証していると、「ああ、こんなことが出来たら良いのに・・」「この動作は納得だが、そうであればここは動作がxxxであるべきでは・・」などとブツブツ独り言を発することが多くなりますが、一歩ずつ確実に進歩しているのがわかり、これからのOffice 365グループ機能には期待できますね。

さて、少し遅くなりましたが、2017年4月のアップデート情報がブログに投稿されましたので、内容を確認してみましょう。このブログ記事の中で大きなアナウンスは「Office 365グループの管理機能強化」があります。

Office 365グループは、考え方としてはユーザーによる「セルフサービスIT」の部類に入ります。通常の「セキュリティ グループ」や「配布リスト」は管理者が作成しますが、Office 365グループは一般ユーザーが「Outlook」、「Microsoft Teams」、「Microsoft Planner」、「Yammer」、「モバイルアプリケーション」からなど様々な場所から自由に作成できます。特に「Outlook on the Web」は専用のビューも用意されていたりと力が入っていますね。(見方によっては、別にグループを作成したいわけではないが、Teams、Plannerアプリケーションを使おうとすると、グループもできるという消極的な言い方もできます。)

昨年2016年のMicrosoft Igniteイベントでも、ユーザーの自由なアイディアやビジネスのスピードを緩めることなく、かつどのようにIT管理者はOffice 365グループを管理できるのか、ディスカッションされている場面が見られました。

もちろん、用件は組織ごとに異なるわけで、明確な「答え」は提示されていませんでしたが、これから継続的に組織の文化やポリシーに対応できる管理手法を提供するとのこと、今回のアップデートでその一部が提供されてきましたね。

・Retention Policies(保持ポリシー)

アイテムの保持ポリシーを作成できる機能ですね。ユーザーがセルフサービスで作れるOffice 365グループだからと言って作成されるコンテンツの管理をしないわけにはいきません。ポリシーを設定することで、法律で求められている種類の情報を要求にのっとって適切に扱うことが出来るようになります。

設定はアプリケーションランチャーから「セキュリティ」を選択します。 (https://protection.office.com

「データガバナンス」で「保持」を選択します。

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あとはウィザード的に聞かれる項目を設定していくだけですので、特に難しい作業は必要ないようです。

大きく次の設定を行います。

・「アクション」の設定 → 条件に合致したとき、どのような動作をさせるのか。

・「対象範囲」の設定 → Exchangeメール、Office 365グループ、OneDrive、SharePoint、含む、除くを細かく設定できます。

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保持ポリシーを作成してから、実際に動作開始するまで「最大7日間」かかると注意が出てきますので、この点はあらかじめ考慮しておく必要があります。

保持ポリシーを設定することにより、具体的にどのような動作をするのかは、下記で説明されています。

https://support.office.com/ja-jp/article/Overview-of-retention-policies-5e377752-700d-4870-9b6d-12bfc12d2423?ui=en-US&rs=en-US&ad=US#how

 

・Label management(ラベル管理)

ラベルを作成し、情報をクラス分けすることが出来ます。ラベルは保持ポリシーとも連動して働きますので、組織としてルールを決めて運用しなければならない種類の情報にラベルを付与します。ラベルは手動、自動でつけることが出来ます。

設定は、保持ポリシーで紹介している「セキュリティ」の「分類」から行います。

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詳細情報はこちらから。

https://support.office.com/en-us/article/Overview-of-labels-af398293-c69d-465e-a249-d74561552d30?ui=en-US&rs=en-US&ad=US

 

・Restore deleted groups(削除されたグループをリストアする)

削除されたグループは一定期間(既定では30日間)保持されているため、その定義された保持期間内であれば削除されたグループを復元することが出来るという機能です。Office 365グループは作成すると、グループ用のSharePointサイト、ライブラリ、共有用OneNote、共有のメールボックスやスケジュールなど関連する多くのリソースも「新規作成」されます。多くのOffice 365リソースがたった一回のユーザークリックで準備される一方、グループ削除後に必要な情報をもう一度手にしたい場合、もしこれらを「バックアップデータ」から一つひとつもどしていると大変な労力がかかります。

リストア操作はAzure Active Directoryに対してPowerShellで行います。

Restore-AzureADMSDeletedDirectoryObject –Id

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復元対象のグループIDを確認し、グループIDを指定してリストア コマンドを走らせます。

通常数分でリストアがなされますが、まれなケースとして最大24時間かかることもあると記載されていますね。

https://support.office.com/ja-jp/article/Restore-a-deleted-Office-365-Group-b7c66b59-657a-4e1a-8aa0-8163b1f4eb54?ui=ja-JP&rs=ja-JP&ad=JP

上記記事には、この操作によって復元されるコンテンツは下記である旨が記載されています。

Azure Active Directory (AD) Office 365 Groups object, properties and members

Group SMTP address

Exchange Online shared inbox and calendar

SharePoint Online team site and files

OneNote notebook

Planner

Additionally if you have a connected Microsoft Team or Office 365 Connected Yammer group those can be restored as well.

リストア対象のコンテンツ量などにもよるのかと思いますが、私が検証したかぎりでは、コマンド処理はほぼ即時で、PlannerやTeamsは比較的すぐに復元されました。SharePointサイトの復元が少し時間がかかった感じです。

マイクロソフトが想定するOffice 365グループの管理手法は2016年のIgniteイベントで幾つか言及されていました。一つはレポート機能を使うことです。管理者はレポートからグループの「使用頻度」を確認し、不必要なグループを検討し削除していく。とはいえ、たとえ使用されていなくても、鵜も言わさずある一定の評価基準でバッサリとグループを消していくのは現実的に難しく、もし消すのであればきちんとコンテンツを復元できる方法が提供されてしかるべきで、今回の機能は、現実的なグループ管理に向けての第一歩になります。

さて、次の3か月で登場が予告されているのが下記です。

Expiry policy *(要Azure Active Directory Premium)

Azure AD naming policy *(要Azure Active Directory Premium)

Default classification and classification description

Classification is available when creating or modifying a group across apps

どれも必要な機能ばかりですね。登場が楽しみです。