
"人と医療のまんなかで、" をグループのメッセージに、何百万、何千万というからだのデータを通して、医療の現場で人々の健康を支える受託臨床検査・検査薬を中心としたヘルスケアグループであるみらかホールディングス株式会社。創業から 50 年以上の間、臨床検査の質の向上やよりよい製品やサービスの提供に取り組んできた各グループ会社が、2017 年から「第2の創業」を掲げ、グループ一体となって1つのみらかグループとしての一体化プロジェクトを推進しています。今回は、そのプロジェクトの象徴である、グループ全社ポータルの刷新プロジェクトに焦点をあて、その改善の目的や改善の実例を伺います。
みらかホールディングス(みらかグループ)は、医療機関からの検体検査の受託を行う 「受託臨床検査事業」 と、検査機器や検査診断薬の製造・販売を行う 「臨床検査薬事業」 、これらの 2 つの事業を中心に国内外約 30 社を傘下に持つヘルスケアグループです。中核会社である受託臨床検査事業を行う「エスアールエル」と臨床検査薬事業を行う 「富士レビオ」 の 2 社は資本関係を持ちながらそれぞれ上場していましたが、2005 年持株会社としてみらかホールディングスが誕生し、みらかグループとしての経営体制がスタートしました。
「エスアールエルと富士レビオは、同じ検査領域ではあるものの異なる事業を展開しており、それぞれの企業の文化やそれを支える IT システムも異なっていました。 2016 年 10 月に現在のグループ CEO である竹内がみらかホールディングスの社長に就任した時から、強力なリーダーシップで非常にこだわって推進してきたのが、グループ一体化です。特に IT については個社毎に持っていた様々なハード/ソフトの統合を推し進め、メールドメイン統一、共通グループウェアの導入、ネット環境、PC、サービスデスク等も統合し、一体化を 1 年半という非常に短い期間で進めてきました。さらに、これまでの個社毎の社内イントラをも廃止して、グループ全体で使用するポータルサイトを 9 か月のプレサイトでの運用を経て、 2018 年 1 月に正式にリリースし、現在運用をすすめています。」 IT本部長 金子 昌司氏が当時を振り返ります。
今回のポータルを構築するまでは、メールアドレスや電話番号といった連絡先の管理は個社毎にバラバラで運用されていました。そのため、同じグループでありながら別会社の社員の連絡先を確認する方法がなく、連絡をとるために一度メールアドレスを直接聞きに行くということもあったほど、アクセスが悪い状況にありました。
「グループの全ての従業員が"すぐ話せる状態"をつくるには、この状況は致命的でした、そのため、グループの全員が"どこか見ればすぐに連絡先がわかる場所"をつくりたかったのです。そして、今回それを全社ポータルのトップのページに設置しました。」(金子氏)
「当時はスクラッチで開発することも視野にいれつつ、 3 社ほどパッケージも検討しました。全社ポータルは SharePoint® Online で構築することは確定していたため、1.Office 365® における機能の連携性 2.短期間で導入し「導入した次の日から使える」というレベルでのスピード感についてこれるか? 3.費用対効果も含めた総合評価 の 3 点をポイントに選定をすすめ、 InfoCall for Office 365 の導入を決定しました。」(宗氏)
実際、InfoCall for Office 365は調査から実際の導入まで1か月弱程度で運用、利用を開始しています。
実際のシステムでは、 SharePoint Online 上に構築されたポータル画面のトップページの右上に、社員検索の Web パーツが設置されており、全社員がすぐに簡単にアクセスして常に最新の社員情報や組織情報を検索できるようになっています。
「リリース当初は IE しか動作しないことから一部から不評の声もいただいたのですが、会社の標準 PC として IE を標準化したことで評価があがりました。さらに、 1 月の社内ポータルの正式リリースで更新後、右上に Web パーツとして設置してから、使いやすいと評価いただいています。」(宗氏)
現在の最新版では Chrome もサポートしている InfoCall for Office 365 ですが、当時は IE11 のみのサポートだったため、導入のための苦労もあったようです。そうした苦労を乗り越え、運用を開始した全社ポータルですが、社員からは高い評価をいただいています。
「 2018 年 6 月に社員向けのグループ一体化に伴うアンケートの結果では、"一番一体化を感じるところ"という調査項目があったのですが、全体順位 3 位で"ポータルサイトで人と組織が探しやすくなった"という声が多くあり、導入による一体化への効果を実感しています。ポータルでは、必要な日常業務の情報に簡単にたどってたどりつける事にこだわって設計を行いましたが、InfoCall も常に最新の組織階層をたどって探せるようになっており、そうしたところも便利に感じています。」(金子氏)
InfoCall for Office 365 が、みらかグループの一体化の効果の一翼を担っており、日々社員により日常のツールとして利用されています。
みらかホールディングスでは、さらなる一体化、グループのシナジーを出していく事を目的として、現在もグループ全社での IT による効率化を推進しています。信頼できるクラウドシステムは積極的に利用していくほか、セキュリティにも十分配慮しながら、必要な機能の拡張を行っていく予定です。
特に Office 365 ついても、より便利に利用できるようにすることを計画しており、ポータルでの 「さがす」 機能の強化や、Skype for Business での活用を普及させ、よりリアルタイムなコミュニケーションを社員同士が積極的に行う環境を目指しています。そうした中で、人と組織の情報の活用でも様々な計画がありました。
「今後はさらに活用を推し進め、"スマートフォンからの社内電話帳の利用"や"緊急連絡先との一元化"、"社内便での活用"などにも、InfoCall for Office 365 を活用していきたいと考えており、製品機能の拡張に期待しています。」(金子氏)
InfoCall for Office 365 はシステムの前面に出るような製品ではありません。ですが、着実にみらかグループ全体で人と人をつなぎ、Office 365 とあわせて全社員が一体となって活用する"なくてはならない機能"として活用されているようです。
本ケーススタディに記載された情報制作当時(2018年7月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。本ケーススタディは情報提供のみを目的としています。
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