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Microsoft Bookingsを検証してみる – Part1

2017年04月18日(火)

2016年7月に米国を皮切りに展開が始まった Microsoft Bookings が、ついに日本語でも利用できるようになりました。2017-04-17 11-50-11

 

今回 Microsoft Bookings を利用できるライセンスは、「Office 365 Business Premium」です。まずは Business Premium ライセンスから、そしてこの先は他のSKUでも展開される予定があるようです。

 

Microsoft Bookings は小規模ビジネスなどで、お客様の「予約」を「オンライン」受け付け、管理することができる新しいサービスです。簡単な設定をすると、専用のWebサイトも用意され、すぐに利用可能です。

オンライン予約システムを利用したいと思っても、小規模なビジネスで(例えば個人で経営しているなど)オンライン予約システムを準備するのは、なかなかハードルが高いことです。もちろんインターネット検索をすると、いくつかの無料で利用できるオンライン予約システムやサービスは存在するようです。ただ、広告が混じっていたり、自分でできる設定の範囲が限られていたりと手放しで喜び利用にというわけにはいかないかもしれません。

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小規模ビジネスの場合、もう一つ考慮しなければならない重要なポイントは、「データの分断」をどのように考えるかです。ビジネスの規模に関係なく私たちはたくさんの情報を業務で活用する必要があります。その際に情報が散らばっているのはセキュリティ的にもオペレーション的にもよくありません。例えばオンライン予約システムはA社を利用し、お客様と連絡を取るためのメール作成はB社のもので、スタッフのシフト管理はC社のサービスで・・・などとデータの分断を許し、複数のシステムを使用していると、ただでさえ少ない人数の中で業務オペレーションがどんどん煩雑になってきます。

小規模ビジネスでは、できることならば、利用する端末も最小限にし、オペレーションコストも最低限にするのが理想です。誰が休んでも問題なくビジネスが続けられるように。

 

では、今回のMicrosoft Bookingsはどうでしょうか?

検証してみてこれは良いな、いや微妙だなと感じた点を取り上げてみます。

 

良かった点は以下です。

1. 簡単な設定ですぐに始められる

マイクロソフトのWebサイトでは、「オンライン予約システム」が、数分の設定で開設ができるとのこと、実際に手順を踏んで試してみました。確かに簡単! 10分もかからずに最低限の設定は終わります。マニュアルがなくても「次にすべき設定」をある程度提示してくれるので設定項目を迷いません。

なお、この Microsoft Bookings はオンライン対応だけではなく、従来の「電話」や「メール」で予約を入れようとしているお客様への対応も可能ですので(対応方法がある)、新しいオンライン予約と既存の予約方法を混ぜながら十分に管理できます!

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2. サービス向上が図れる

全体的に「簡素」なオンライン予約システムではありますが、随所にお客様へのサービスを向上させる機能がついています。例えば、「メール アラーム」機能。リマインダメールを決められた通りに送る機能があります。予約を入れてくださったお客様に、予約の確認や来店を促すことが、スタッフの手を煩わせることなく、自動的に行えますね。 アラームはお客様だけではなく、スタッフ向けにも設定できます。これは良い!

スケジュールを作成する場面でも、お客様同士が鉢合せたりすることがないように、またスタッフにも空き時間の余裕が作れるようにバッファー時間を設定することができます。現実的できめ細かい配慮です。

 

3. Outlook上で情報がまとまる

技術的にはOffice 365で提供されているOutlook OWA(Outlook on the Web)の機能拡張として用意されているようです。Outlookを利用していれば、すべての情報が一元管理されます。お客様からの予約はそのまま担当者のカレンダー スケジュールとなりますし、お客様情報も「連絡先」として利用することができます。なお、お客様に公開する「予約サイト」もOWAの拡張サイトとして提供しているようですね。

 

4. 専用のモバイルアプリケーションが準備されている

お客様がアプリをダウンロードするのではなく、お店の側が予約を上手に管理するための専用アプリです。お客様は通常のWebブラウザから予約をしていただければOKです。お店側はこの専用アプリを利用すると、アプリ側からお客様の予約を新規で入れたり、変更するなどの予約管理対応が簡単に行えます。つくりも非常にシンプルで程よい使い心地のモバイルアプリです。iOS、Android共に用意されています。

 

5. Facebook と連携ができる!

公開ページを一クリックで Facebook 上で共有する機能がついています。もちろん Twitter 共有するボタンも。また、これは試せていないのですが、Facebook で企業用のページを持っている場合、ページの「予約する」と連携も可能とか。(確認できましたら、アップデートしたいと思います。)

 

6. オンライン予約システムに必要な最低限の機能でとどめられている

最低限というと聞こえが良くないかもしれませんが、システム管理者がいない場合が多い小規模ビジネスでは、これが大事です。
沢山の機能があればあるほど、メンテナンスの手間がかかったり、設定に時間がかかります。あれも、これも、ではなく、目的はオンラインで予約を受けること。このためだけに必要な最低限の機能が準備されている、この匙加減は丁度良いと思います。

 

 

逆に、ちょっと微妙と感じた点は以下です。

 

・一対一のサービスに向いている?

例えば美容院や病院など、スタッフとお客様が1:1で向き合うサービスでは問題ないのですが(もしくはサービス提供者が複数人でお客様が一人)、一対:「集合」の場面などでは、運用が難しそうです。例としてはフィットネスクラブのスタジオ クラスなどがイメージしやすいです。一人のインストラクター対「複数」のお客様のケースです。私が検証した感じでは一つの予約に一人もしくは複数人のサービス提供者アサインは問題ないですが、一つのサービスに多数のお客様を紐づける対応が難しいかもしれません。(もちろん工夫はできると思いますが、チョッとどうだろう…)

 

・簡単に始められるということは、カスタマイズ範囲が限られてくる

例えば、予約サイトの公開。どうせ自社専用の予約サイトを持つのであれば、自社ドメインで運用したいところですが、今のところ自社ドメインでの公開はできないようです。

私の検証環境では予約サイトのURLは https://outlook.office365.com/owa/calendar/業種名@組織テナント名.onmicrosoft.com/bookings/ という形で公開されています。

また、サイトのデザインなども、テンプレートを選択する「だけ」で、細かくデザインを自分でいじりたくても「今は」その術はなさそうです。

 

・カスタムフィールドを使った運用

可能であれば、自分の組織のニーズに合わせて少し追加の「項目」などを使いたいものです。しかし、現状ではカスタムフィールドのような別の値を取得するすべはなく、既定で用意されているフィールドを上手に使う必要があります。(これに関しては、将来的には実装される可能性があるかもしれませんね。 参照:https://outlook.uservoice.com/forums/314907-microsoft-bookings/suggestions/15773461-custom-fields-on-the-booking-page

 

機能比較表のように「マル 〇」「バツ ×」をつけ始めるとキリがないですし、ITはどうしても「できない」ことに目が行きがちですが、目的は「スマホ時代にお客様にオンラインから予約できる場」を提供する、「お客様の予約を管理する」、そして「スケジュールを管理することが達成されていればいいので、きちんと割り切って利用すれば、こんなに身近でパワフルなツールはないです。この後の記事では、実際に設定画面を交えながら、もう少しMicrosoft Bookingsを検証していきたいと思います。